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「 この事件が起こったのは、シドニー市内のFホテルのロビー。
暑い夏の日。だったような気がする。」との事。
ガイドのAさんが、お客様のチェックイン、滞在中のご案内を済ませ、
最終確認の電話をお客様のお部屋に入れようとロビーに向かったところ、
フロントデスクの方から大きな声が聞こえてきた。
『 何かな? 』と声の方を見てみると、
スキンヘッド+濃い色のサングラス+派手な色のアロハシャツ
+白いエナメルの靴=893屋さん
ぴったりと、方程式に当てはまる出で立ちは
どう見ても日本の『 やくざ屋さん 』。
フロントのスタッフと何やら話をしています。
英語が上手く通じないのか? 段々と声が大きくなってきます。
Aさんも 遠巻きに聞き耳を立てていると、
どうやらこの恐持ての893さん。 乗馬に行きたいらしい。
如何せん。言葉の壁が厚くて、なかなか通じず、
その内、とうとう日本語で
「 乗馬や、乗馬!」、 「 馬に乗りたいんや。」と言い出した。
日本語では、ますます通じず、フロントスタッフも首を傾げだした。
893さんもスタッフと同じように首を傾げて、
ついでに目も上に傾げて、
「 何で分からんか? これや、これっ!」と
両手を前方に真っ直ぐに差し出し、背中をピンッと伸ばし、両膝を曲げ、
体を上下に揺らし始めました。
そうです。 とうとう言葉が通じないという事で、
ボディーランゲージを始めた893さん
Aさんには、すぐに『 あっ 乗馬 だ! 』って分かるほどの
すばらしいアクションだったらしいのですが、
ホテルフロントスタッフには、悲しいかな理解してもらえず
「 レンタカー?」とか 「 モーターサイクル?」とか言われ、
怒りも頂点に達してきた。
そして、とうとう切れた893さん 大きな声で
「 まだ分からんか! 俺が、行きたいんは乗馬やー! 」
「 馬に乗りたいんや!」
そして最後に一際大きな声で、
「 お馬さん。 パカパカやー! 」
一瞬 何が何だかわからなかったAさん、「 頭が真っ白 」「 思考停止 」。
目が点、口もあんぐり、
やっと思考が戻るのにどの位の時間がかかったか。
その時には、プーッと噴出さんばかりの大爆笑!
さすがに、相手はすごく恐そうなお方、Aさんも防衛本能が働いたのか、
無意識の内に手を口に当てていました。
それが幸いし、893さんには聞こえなかったそうです。
当の893さんは、今度はあたりをキョロキョロ。
「 あっ、この893さん 誰か通訳出来そうな人を探している。」と、
ピーンときたAさん. 893さんと目が合う前に、
そっーと背を向けトイレ目指して、
目立たないよう目立たないように、
1歩1歩 猫の様に忍び足で逃げ出しました。
この後の事は、Aさんトイレで暫らく、
ほとぼり?が冷めるまで隠れていた為,分からないそうです。
でも想像してみて下さい。
見た目モロ893さんの恐そうなおじさんが、
人もたくさんいるホテルのロビーで、
両手を前に突き出し、中腰で、体を上下に揺すりながら、
「 お馬さん。 パカパカやー!」と絶叫している姿。
「 お馬さん。 パカパカ 」ですよ。 893さんが……
別の意味でもとても恐い。 恐怖の2重奏。
どんな年齢でも、どんな職業でも、そして どんな風貌、身形でも
子供心を忘れない事って、とても大切かも?
あなたは、こんな子供心! 大切にしていますか?
んーんっ。 |